【感想】Dear My Abyss

Dear My Abyss

 

  タイトル Dear My Abyss
  ブランド ベリアル(オリジナル版) / レジスタ(NS版)
  発売日 2017-02-02(オリジナル版) / 2018-02-22(NS版)
  原画 Team Berial
  シナリオ Team Berial
  ジャンル 長編マルチエンドサスペンスAVG
  プレイ時間 約15時間~18時間
  評価         

 

ある日、平凡な女子高生・朝戸昴のもとに、差出人不明の荷物が届く。
荷物の中には、表題のない本が一冊収められており、同封された手紙には

「その本は、切り刻むことも燃やすことも出来ない」と記されていた。

昴は二人の友達を誘い、本を燃やそうと試みるが…。

 

パッケージ & 特典

ダウンロード専売ソフト。(ストアはこちらから
オリジナル版はパッケージ、ダウンロード版の両方あるみたいです。

 

 

シナリオ

攻略順:魅栖華→昴
推奨攻略順:二部構成で、攻略順固定です。

 

原作はPC版の同人ゲームですが、Switch移植版をプレイしました。

クトゥルフ神話を題材にし、小難しい書体で描かれる本作。マルチエンディング形式を採用しているため、選択肢はいくつかありましたが、自動でエンディング分岐点まで戻る仕様なので攻略難易度は易しめ。

一度に表示されるテキスト量は少ないものの、立ち絵がほぼシルエット絵であるため、アドベンチャーゲームというよりはノベルゲーム

キャラクターの立ち絵がシルエットなのは、『かまいたちの夜』以来かも。

 

クトゥルフをモチーフとした作品はゲーム問わず、様々なメディアで存在しますが、今作は作中に専門用語を多く取り入れているので、ある程度の予備知識が必要となるかもしれません。

そういった面から、人を選ぶゲームではありますが、普通(?)の女子高生たちがルルイエ・テクストを通じて旧支配者たちの争いに巻き込まれていくストーリーには引き込まれるものがありました。

 

価格以上のボリュームもあり、昴の自己に対しての心理描写など響く場面も多く、欠点といった欠点が見当たらない素晴らしい作品。

魅栖華編で挫けずに、ぜひ昴編まで読んでみてほしい…!

 

欲を言えば、二部構成ではなく三部構成(風美編)であったらもう少し今作の理解度が深まったかもしれません。

 

下記より、今作の良かった点/悪かった点を簡単にまとめてみました。

 


 

GOOD POINT昴とルウの関係性

百合――と一言でまとめられない関係性。大それたことはしてないし、一緒に夕食を作って食べるだけという当たり前の生活だけど、この二人だとそれがたまらなく幸せそうに映っていました。

魅栖華編をクリア後に昴編になるので、魅栖華の心境を考えると……と複雑な気持ちになりましたが、この二人のおかげで本作の評価が上がりました( ˶˙ᵕ˙˶ )

 

GOOD POINT夢の世界の描写

昴編で何度も登場する、昴の「理想の世界」を具現化した夢の世界。
春夏秋冬巡る背景や、自給自足ののんびりとした生活、行商人との長旅が印象に残っています。
おそらくプレイした方なら誰もが思うはず。銀の鍵ほしいと…!

 

◇   ◇   ◇

 

BAD POINT風美編のルート不足

魅栖華編→昴編ときたら、風美編もあると思っていたので、昴編で完結したのが少し肩透かしでした。
風美の印象が良くないまま終わってしまったのも残念ですし。
無しなら無しで、スタッフロールなどのエンディングがあったほうが親切だったかなぁと。
(昴編後、風美編への選択肢を探しちゃいました)

 

 

ネタバレ雑感

下記より、ネタバレ含む雑感です。閲覧の際はご注意ください。

 

ネタバレ雑感 : クリックで開閉

 


ルウと一緒にいられないと分かった昴は、昴、魅栖華、風美の記憶を改ざんすることをクトゥルフに願う。

魅栖華、風美を”殺してしまえば”、昴はルウと一緒にいられたかもしれないのに、記憶を消すという選択をした昴の心境の変化には思うことが多々……。

魅栖華たちのことを心の中では一歩引いた目線で見ていたはずなのに、愛する人を殺そうとしていた友人2人を許してしまう心優しい昴に涙。個人的にはルウとずっと一緒にいてほしかったけど、誰も傷つかない平和な選択をした昴の決断力を見ると、ストーリー序盤から成長したんだなぁ、て感慨深い気持ちになりました。

 

ルウのトレードマークである日傘が届いて、訳が分からないまま涙を流すシーンが素晴らしかったです。

あと、ルウがクトゥルフの者とバレてしまうシーンは、「沙耶の唄」を彷彿とさせる描写でしたね。

 

ちなみに、エピローグでプレイヤーに語りかけていた人物は保健の先生、なのかな。

彼女もクトゥルフの関係者だったのかな、とまだまだ考察しがいがありそう。

 

 

キャラクター

お気に入りキャラクター順:昴>ルウ>>魅栖華>>風美

 

朝戸 昴


上の画像から分かるように、自己肯定感がめちゃめちゃに低いキャラクター。

人付き合いが苦手な人などは何かしら心に刺さるものがあるんじゃないかな、と思います。(私は刺さりっぱなし!)

度々登場する「影」の昴には何度傷つけられたことか。他人のことが嫌い、でも自分のことはもっと嫌いな昴がルウと触れ合い、徐々に心境の変化が現れていく姿が良かったです。

昴編では、夢の世界が強く印象に残っていますが、本当に夢の世界に一生浸れるならそれ以上の幸せはないように思えます…( `_ゝ´)

昴に感情移入できるかどうかで、本作の評価も変わってきそうですね。

 

◇   ◇   ◇

 

新倉 魅栖華


シルエットじゃない立ち絵をスクショし忘れたので泣く泣く通常場面で。

昴とは正反対の、明るく社交的なキャラクター。友達も多く、世渡り上手なタイプ。

ぼっちの昴と「仲良くしてやってる」みたいな態度でもなかったのでこういうキャラクターにしては好印象でした。

(ほぼ会話したことないクラスメイトの誕生日を祝うって、逆に引かれそうとも思ったけど)

というか、全体を通して魅栖華が不憫でしょうがない。どうにか幸せになるエンディングはなかったんですか…!(T_T)

10時間くらい魅栖華視点で物語を読んでいたはずなのに、昴編の印象が強いあまりに魅栖華編が印象に残らず、色んな意味で可哀想なキャラクターでした。ちーん。

 

◇   ◇   ◇

 

蓮田 風美


古風な物言いだから、剣の腕が立つ黒髪ロング(もしくはポニテ)っぽい見た目かと思いきやめちゃくちゃチャラそうなギャル。

オカルトの知識が豊富で喧嘩っ早いキャラクター。

物語の構成上、敵側のポジションに立つことが多く、昴×ルウ好きにとってはあまり印象は良くないかも。

風美視点の描写が他3人と比べて少ないので、感情移入しづらいのも要因。

古書店の店主と風美はもう少し掘り下げて欲しかったかなー、と思ってます。

 

◇   ◇   ◇

 

九頭 ルウ


日傘がトレードマークの謎多き転校生。

昴のそばに常々いる様子はさながら小動物のようでめちゃくちゃ可愛い。

予想はできるものの、昴編からルウの秘密が判明していくところは手が止まらずどんどん読み進めてしまいました。

昴を自分のものにしたいから……と、ちょっと反則ちっくな手段を講じるところも好きです。

性別や種別なんて関係ない、昴とルウの「愛」は素敵でした。

 

 

グラフィック・演出


CG枚数:なし

CG等はありませんでした。

立ち絵も9割方シルエットを使用しているのですが、たまに上の画像のようにキャラクターの絵柄も。

キャラデザも可愛いので、もう少しシルエット以外の立ち絵を多用しても良かったかもしれません。

シルエットのほうが想像が掻き立てられて雰囲気は良いんですけどね( ˶˙ᵕ˙˶ )

 

画像を1000枚以上使用しているらしい演出面は、場面に合わせた背景やエフェクトを使い、かなり手が込んでいました。フリー素材もあるでしょうが、制作者さまが自分で加工した画像も多いと思います。

 

 

音楽・ムービー


ボーカル曲:なし BGM:

主題歌やED曲などはありませんでしたが、BGM数は割と多かった気がします。

どこかで聞いたことのある曲が何個かあったので、おそらくフリー素材。

 

曲名は分かりませんでしたが、 タイトル画面  ルウのテーマソング あたりがお気に入り。

 

 

総評

クトゥルフ神話を物語に上手く絡ませており、先が気になり引き込まれる秀逸なシナリオでした。

魅栖華編はサスペンステイストなストーリーでしたが、昴編からは恋愛要素も絡ませた二部構成のスタイルも好印象。

小難しい書体ながら読みやすいテキストでしたし、雰囲気も良く、伝奇・サスペンスものが好きな方にはおすすめです。

 

Dear My Abyss

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